日本の代表的な薬草であるどくだみからは、多様な有効成分が発見されてきて、改めてその効果が科学的に証明されてきています。どくだみに含まれる主な有効成分はクエルシトリンとデカノイルアセトアルデヒドの2つで、その他の成分も重要な働きをしていると考えられています。
どくだみの有効成分
どくだみの有効成分は、生の葉や茎を利用する場合と乾燥させて利用する場合(どくだみ茶など)では大きく変化します。
どくだみの葉や茎には精油成分(揮発油成分)としてデカノイルアセトアルデヒド・メチルノルニケトン・ラウリック酸などがあり、この精油成分がどくだみ特有の匂いの元となっています。
その他には、フラボン系クエルシトリン・イソクエルシトリン・カリウム塩・葉緑素などがどくだみの有効成分の主体となっています。
スポンサーリンククエルシトリン(イソクエルシトリン)
植物界に広く分布する黄色色素であるフラボノールの一種クエルセチンの配糖体です。
クエルセチンの3位にラムノースが結合したものがクエルシトリン、ラムノースの替わりにグルコースが結合したものがイソクエルシトリンになります。
その他にソバから見つかっているビタミンP様作用物質ルチンも構造的に類似しており、これはクエルセチンの3位にグルコースとラムノースが結合したものです。
いずれもビタミンP様の作用があることが知られていて、どくだみのの主要有効成分の1つとなっています。
クエルシトリン(イソクエルシトリン)の効能
- 利尿作用
- 緩下作用
- 血圧調整
- 毛細血管の強化作用
- 消炎作用
クエルシトリン(イソクエルシトリン)の効果
乾燥どくだみをお茶・入浴剤・化粧水などとして用いることで
- 肉体疲労
- 高血圧
- 糖尿病
- 胃炎
- 心臓病
- その他
に効果があるとされています。
スポンサーリンクデカノイルアセトアルデヒド
どくだみに 0.005%含まれている精油成分の1つで、どくだみの代表的な効能である殺菌作用のもととなる物質です。
生のどくだみに含まれていて生臭い特異臭のもととる成分でもあります。乾燥どくだみ(十薬)は、乾燥の過程でこの成分は別の形に変化してしまうため、どくだみの特異臭もしません。
デカノイルアセトアルデヒドの効能
- 抗菌・殺菌作用
- 消炎作用
- 組織再生作用
デカノイルアセトアルデヒドの効果
生の葉や茎をもんで出る青汁を患部に塗布したり、生の葉を患部に貼るなどで
- おでき
- しっしん
- いぼ
- じんましん
- あかぎれ
- 水虫
- やけど
- その他
に効果があるとされています。
スポンサーリンククロロフィル(葉緑素)
植物細胞の葉緑体(クロロプラスト)に含まれている緑色色素で、太陽から降り注ぐ光のエネルギーを基に栄養素を作り出す生命力の源となる最も重要な色素です。
クロロフィルは肉芽組織の再生を促す作用があることが知られていて、どくだみの青汁で傷の治りが速いのは、
- どくだみの殺菌成分で傷口を浄化すること
- クロロフィルが傷口の再生を促す
という2つの作用が相乗的に働く結果であると言われています。
デカノイルアセトアルデヒドと同様に乾燥したどくだみ(十薬)ではその効能は作用しません。
クロロフィル(葉緑素)の効能
- 組織の再生促進
カリウム塩
電解質バランスを調節する人間の体に必要なミネラルの1つです。
肉中心の偏った食習慣でカリウムが不足すると多くの病気の原因となります。血圧を調節し、血流を正常にするのに役立ちます。
ハーブの中でもどくだみに特に多く含まれています。どくだみに含まれる他の多種類の成分と相乗作用を示し、新陳代謝を促します。
カリウム塩の効能
- 代謝促進
- 血行促進等